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パーツの可動域(腕〜手)

初心者の方は手が苦手とおっしゃてる事も多いようです。
小さいのに指が5本と手の甲という6つのパーツ、しかも親指が他の4本と違う位置についてるし。
体の向きを変えなくても手の甲を向けたり平の方を向けたりできるし・・・一体どうなっとるんじゃーっ!と。


左図のように手の平を上に向けてもう片方の手で肘を押さえてみてください。
そのまま手首を回すと180℃裏返って甲の方が向くと思います。

次に腕の真ん中辺りを押さえて回すと少しきついですが、なんとか甲の方を向けることができます。

では手首を押さえてみてください。
ほとんど手首を回すことはできないはずです。


肘の位置を変えずに手首を回すことはできますが、手首の部分で回しているわけではないことがこれでわかると思います。
手首「で」回転するわけではないんです。

肘より上の部分は「上腕骨」という一本の骨ですが、肘より下、前腕は「尺骨」と「とう骨」という二本の骨になっていて、それぞれに付随する筋肉があります。
肘を固定したまま手首を回転させると、二本の骨がクロスするように動くので180℃回転できるようになるのです。

どういうことかと言うと、上のような手の平を向けた状態を後ろから見た(甲側から見た)シルエットと、下のような甲を向けた状態のシルエットは同じじゃないということ。
腕の輪郭線が違って見える(筋肉の見え方が違う)ということです。

 横に回す  前後に回す
肘を固定した状態ではこれくらい。
もっと動くんじゃ?と思うかもしれませんが、それは上腕部なども動かしているから。

肘には男女で違いがあります(性差)。
手の平を上に向けて両腕を体の前でまっすぐに伸ばします。肘から小指までぴったりくっつける事ができますか?
男性でこれができる人は少ないですが、女性は8割くらいの人ができるらしいです。これを「猿手(さるて)、又は外反肘」といいます。
猿手の度合いも個人差がありますけど、度合いが強い人は本当に骨折でもしてるのかと思うほど外反してますからね〜。

なぜ女性はこのように肘が反り返るかというと、尺骨の頭部(肘の出っ張っり)が男性より小さく、関節面の湾曲が浅いためらしい。
できるからいいというわけでもないらしいので(どちらかというとデメリットになる?)、できなくてもいいんです。ただ多くの女性の肘はこのように反ることができるということです。
女性が肘をぴったりくっつけて見せると気持ち悪がる男性もいます。




女の子座りというかペタンと座るのも男性(特に成人)ではできない人がけっこういるみたいです。これも性差なんですかね?
まあ腰に良くない座り方らしいので日常的にやるのは止めたほうがいいかもしれません。



最初に手首では回転する動きはできないと書きましたが、手首を固定したままでもできる動きの範囲を書いておきます。

 上下に動かす  横に動かす


まあ手は自分でもよく見えるものだから、可動域なんて自分で動かしてみれば一目瞭然なわけで。
可動域を考えてから絵を描くのではなく、下書きを描いた後おかしな曲がり方をしてないか、答えあわせをする感じにすればいいと思います。
明らかにこの可動域を超えてるなと思ったら修正すればいいんです。



(お暇だったら読んでね^^)

初心者の方の絵でよくあるのが手を後ろに回してる絵。
要するに「手」が苦手なんでしょう。多分素足も苦手なんでしょうが、靴はかせときゃ足の指を描く必要がないからね〜。
私も小学生の時には苦手だったんで、一ヶ月くらい集中して練習しました。ひたすら手ばかり描き続けました。それで大分描けるようになりました。
どんな練習したかあまり覚えていませんが、小学生だったし、多分模写しまくった気がする。
「手が描けないんですー」という質問に「自分の手を見て描け」というごもっともなやり取りを見たこともあります。
描けない方はこれで納得できてんですかね?
見たままに描けるなら、誰でもそっくりな似顔絵が描けるはずじゃね?
多少は描ける方なら自分で手のポーズをとってみて描くという方法でいいと思いますが(自分も時々やる)、まるっきり描けない方は、自分の手を見ても頭が沸騰するだけなんじゃ・・・。
まったく描けない状態からの練習であれば、「トレース」から始めればいいと思うんですよ。トレーシングペーパーは100均でも売ってます。
とりあえず今手元にあるマンガ雑誌の手の部分だけをひたすら写し描きしてみる。一冊まるごと。正確に。同じようなポーズがあっても無視せずにとにかく全部写してみる。
それが終わったら、今度は写すのではなく見ながら描く、「模写」ですね。一冊まるごとやってみる。
次に自分の目指す絵柄に近いプロの方の描いた「手」の模写をしてみる。手は皆同じ形のはずですが、絵柄に個性があるように、実は手の描き方にも顔ほどではないけど個性があるんです。
自分の周りの人たちの手をよく観察してみてください。指の長さ、指と平の比率、手全体の厚みなど、意外と違います。
萌え絵を描く方で、キャラの顔は同じように可愛く描けていても、男性作者の方が女性作者より手の筋肉を強調する傾向があるような気がします。
自分の手を参考に描いてしまうせいなのか、はたまた男性の「性(さが)」が過剰に筋肉を意識させてしまうのかな〜。
模写をしばらくやってみたら、今度は自分の手を見て「リアルデッサン」をしてみる。あんまり上手く描けなくてもいいからやってみる。
この模写とリアルデッサンを交互にやり続けていると大分描けるようになると思いますよ。
骨格や筋肉を知識として覚えるのは悪くはないけど、手に関してはやはり色んなパターンをたくさん描くことが一番だと思う。


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