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パーツの可動域(肩〜腕)

前回は「首」をやりましたので、今回はとてもややこしい「肩」です。

「肩」に関しては皆さんも苦戦しているのではないでしょうか。
全身が描けない、顔しか描けない、とは言ってもバストアップくらいは描いたりしますよね。何とか頑張って顔は描けたとしても、「肩」でどう描いていいか迷ったり。
肩は難しいんです。骨が複数からみあってて、人体の関節で最も複雑に動くところです。生物の中で肩〜腕の動きが一番複雑なのが人間です。
これも頭脳を進化させるのに関係あったんでしょうかね。

肩の動きは3種類の骨で捉えましょう。
 「鎖骨」 「上腕骨」 「肩甲骨」 です。

鎖骨は鏡を見ればすぐわかりますね。
肩甲骨は後ろに手を回して腕の付け根よりやや斜め下をさわると大きな固い骨が触れると思います。
この肩甲骨は平たくて、背中の肋骨に覆いかぶさるようについています。

肩と腕の付け根あたりを触ると何かごちゃごちゃしてどれがどの骨なのかわかりづらいです。
簡単に言うと、ちょうどこの3つの骨が肩甲骨の窪みにはまるようについていて複雑になってます。


くっついてるわけじゃなく、所謂はめ込み式になっているので、可動が大きく、
場合によってははずれることもあります(脱臼)。無茶は危険。



肩の動きといっても、肩甲骨に上腕もぶら下がっている状態ですので、特に腕を動かそうと思ってなくても腕も多少動いてしまいます。
逆に腕だけ動かしているようでも(手を挙げるなど)肩も一緒に動きます。

以下に可動域をのせてみました。PCの前で自分がこのくらい動くか確かめてみてください。

 肩をそらす、すぼめる  肩の上げ下げ  腕を垂直にして前後に回す
 腕を真横に回す  腕を水平に回す

たいていのデッサン人形は体と腕が別パーツですので、腕を挙げても肩のラインは動きません。
デッサン人形でポーズをつける場合要注意です。人形にとらせたポーズの肩は実際にはどうなるのか、鏡を使って自分の体を見てみるのが一番確実お手頃です。


この絵は呆れた時などに肩をすくめてみせる仕草です。

ここまでの説明から、正しくは左の絵のような肩のラインになるはずです。
でも右の絵でもあまり違和感を感じないのでは?
むしろ右の絵の方が動作の表情としてはわかりやすいと思います。

リアルな表現にこだわるのであれば左ですが、
この絵のような頭骨の大きい、体の小さいキャラの場合、リアルな表現よりも動作のポイント(この場合「肩をすくめる」)をわかりやすくする事が
大事になってくると思うんですよね。

どこまでリアルでいくか、どのくらいまでがデフォルメの許容範囲かは微妙だし、人によって応えも違うと思うので、一概には言えませんけど。

サイト内での画像も多少修正が入っています。
作業ファイルの状態はこう↓



(お暇だったら読んでね^^)

よく、絵が上手になるためには何をしたらいいか?という質問に「デッサン」と「模写」という言葉がでてきます。
どちらをやったらいいのかという質問にはたいてい「どちらも」という答えがつくと思います。
「模写」というのは「描き写し」なので、そこにすでにお手本があるようなものですから、「デッサン」より「模写」の方がとっつきやすく、このサイトに来てくださってる方は
一度はやったことがあると思います。
写真を見ながら描くというのも「模写」になります。「デッサン」したとはいえないかも。
デッサンは苦手だという方もいらっしゃると思います。美術系のデッサンを目的とした場合はいろいろな課題がありますが、
漫画キャラクターを描く上での「デッサン力」を身につけるだけであれば、あまりデッサンの技術にあれこれ悩む必要は無いかと。
デッサンの最初の一歩は「観察」することなんでね。
頭の大きさはどれくらいか、首は頭のどのあたりにくっついているか、腕と体躯はどんな風に繋がっているか、体のどの部分の肉付きは厚そうか等々。
視界を狭めて肉付きの流れを見る、少し引いて全体のバランスを見渡す。人体が皮膚に覆われた(衣服をまとった)塊状の物体であることを実感するのが「デッサン」の始まり。
そうして目の前の3次元物体を2次元の紙に描く訓練を重ねていくことで、何も見なくてもある程度まで描けるようになるんだと思います。
要は「空間を把握する」というやつです。学校やデッサン教室では技術面の事も指導されたりするので、自分のヘタレさに苦手意識を持ってしまうかもしれませんが、
実物を見ながら描くというのは空間認識力を鍛えることになっているので、結果的にあまりうまく描けなくてもそれに取り組むことに意義がある。
立体物を平面に描くという訓練を重ねてからポーズ資料の写真等を見ると、服を着たモデルさんでも服の中の体がどうなっているか頭の中で想像できるようになると思います。
大まかな立体把握ができてから、細かな部分を写真に頼るという方法をとるのがいいんじゃないかな。
あと、実物のデッサンはなかなか動いているものは描けないんでね。動いてる瞬間のポーズを描きたい場合、写真やデッサン人形はとても重宝します。
空間認識を鍛えるためのデッサンなら必ずしも人物でなくても、バナナとかドライヤーとかでもいい。
初心者の方は7:3か6:4くらいで「模写」よりも「デッサン」に力を入れてやった方がいいんじゃないかと私は思います。
デッサンの技法書や解説書を読んでもイマイチわからないという方も、実物のデッサンを重ねて立体物として捉えられるようになってから読むと、すんなり納得できるようになるはず。
私は学生時代は勿論デッサンもやったけど、好きだったのはクロッキーだったな。途中で変に悩まずに集中してやれるのがいい。
2分くらいだと全体を描くのが精一杯で、目鼻まではムリでしたが、5分あれば顔はもちろん、衣服のしわまでかなり描き込めました。
色んな人(モデルは生徒)を描いているうちに、スレンダーなタイプより、やや太り気味の子のほうが描いてて楽しくなるというのを発見してしまった^^
なんというかね・・・肉を描くのは・・・楽しいと・・・。。。。でも自分のキャラ絵はスレンダーなままなんですけどね^^


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